分析と評価方法

分析と評価方法 ― 決算跨ぎチャレンジの★評価と結果判定のルール

このブログで毎日やっていること

「決算跨ぎチャレンジ」では、営業日ごとに次の2つを記事にしています。

  1. 決算前分析: 翌営業日に決算を発表する銘柄を選び、決算をまたいで持つ価値があるかを★5段階で評価する
  2. 決算結果: 発表翌日の株価の反応を見て、評価が当たったかを答え合わせする

この記事では、★評価の付け方と、結果の判定ルールをまとめます。日々の記事を読むときの「物差し」として使ってください。

一番重視しているのは「銘柄ごとのクセ」

決算の良し悪しは、ニュースやコンセンサスとの比較で語られることが多いです。ただ、同じ「上方修正」でも、株価が大きく上がる会社もあれば、ほとんど動かない会社、むしろ売られる会社もあります。

その差を生んでいるのが、会社ごとの業績予想の出し方のクセだと考えています。過去の決算を5年分さかのぼると、多くの会社に決まったパターンがあります。

クセ1: 2Qで上方修正する傾向が強い会社

毎年、2Q決算(上期)のタイミングかその直前に、業績予想を上方修正する会社があります。

例えばコーエーテクモHDは、過去5年続けて、2Q決算の1〜2週間前に上期予想を修正しています。事前に修正した年は4回とも、修正後の数字をさらに0.9〜5.0%上回って着地していました。

こうした会社は、上方修正自体が「いつものこと」として読まれやすく、決算翌日の値幅は小さくなりがちです。修正の有無だけでなく、市場がそのクセをどこまで織り込んでいるかまで見るようにしています。

クセ2: 想定為替レートを円高方向に見積もる会社

輸出の多い会社は、期初に「1ドル何円」という想定為替レートを置いて業績予想を作ります。この想定を、実際のレートより円高寄り(保守的)に置く会社が少なくありません。

例えばコーエーテクモHDの想定は1ドル142円でしたが、10月下旬の実勢は157円台で、約15円の円安でした。会社が開示している為替感応度(1円の円安で営業利益1億円以上)で単純に計算すると、通期の営業利益予想は4.7%以上の上振れ余地があることになります。

レポートでは、各社の決算短信や説明資料から想定為替レートと感応度を拾い、今のレートで計算し直したら予想がどれだけ動くかを試算しています。

クセ3: 通期予想を低めに出し、期中に上方修正する会社

期初の通期予想をかなり保守的に出しておき、期中のどこかで上方修正する会社もあります。

例えば日本車輌製造は、前期の期初予想が経常59億円でしたが、実績は120億円と約2倍で着地しました。今期も前期比22%減益の計画ですが、1Qの進捗率は33.8%(前年は20.5%)と高く、計画が低めに置かれている可能性があります。

反対に、期中は通期予想を動かさない会社もあります。信越化学工業やオービックは期中に修正しない方針で、カプコンも本決算の直前にしか通期を修正しません。こうした会社は、1Qの進捗がどれだけ良くても、2Q決算で修正が出る期待は持ちにくくなります。

「上方修正でも売られる」会社もある

クセを見ていくと、良い決算でも売られやすい会社があることも分かります。

キヤノンMJは、3Q決算の翌日に過去5年で4回下落しており、上方修正したのに売られた年が3回ありました。株価が高値圏でPERも高い状態だと、良い数字が出ても「出尽くし」になりやすい、という典型です。

★評価の5項目

上のような会社ごとのクセを中心に、次の5項目から「決算跨ぎお勧め度」を★5段階で付けています。★3が中立です。

項目 見ていること
1. 過去の決算翌日の値動き 過去5年の同じ四半期で、決算翌日に上がったか・下がったか、値幅は平均でどれくらいか
2. 業績修正のクセ どの四半期に、どちら向きに修正するか。会社予想とコンセンサスの差、進捗率
3. 前回決算からの株価 前回決算以降にどれだけ上がって(下がって)いるか。期待がどこまで株価に乗っているか
4. バリュエーション・為替 PER・PBR・配当利回り・信用倍率。想定為替レートと実勢の差
5. 業界・関連銘柄 同業の決算の内容、関連銘柄の決算日程、業界の追い風・向かい風

★の目安は次のとおりです。

  • ★5・★4: 跨ぐ価値が高い(過去のパターン・業績・株価の位置が上向きにそろっている)
  • ★3: 中立(プラス材料とマイナス材料が拮抗している)
  • ★2・★1: 跨がないほうがよい(出尽くしや下方修正のリスクが大きい)

結果の判定ルール

決算翌営業日の大引け後に、結果記事で答え合わせをしています。判定のルールは次のとおりです。

寄り付きと終値を分けて評価する

決算発表日の終値を基準に、翌日の寄り付きと終値の騰落率を、別々に判定しています。

  • 寄り付き: 決算への純粋な反応。翌朝の寄りで手仕舞った場合の結果
  • 終値: 1日かけて消化されたあとの評価

寄りでは売られたのに、引けにかけて切り返す、といったケースも珍しくありません。どちらで手仕舞うかで結果が変わるので、分けて記録しています。

的中・外れの基準

  • ±1.0%未満は「横ばい」
  • ★4〜5は上昇で的中、★1〜2は下落で的中(跨がない判断が正しかった)
  • ★3は中立なので勝敗に入れず、値動きだけ記録

「的中したのにうまみがない」を見えるようにする

例えば1,000円の株が+1.1%で引けた場合、ルール上は的中です。ただ、リスクを取って決算をまたいだ割には、1,011円では手応えがありません。

そこで、その銘柄の過去の決算翌日の平均値幅と比べた反応倍率を出しています。

  • 反応倍率 = 騰落率 ÷ 過去の平均値幅
  • 1.0倍以上なら「大幅的中(外れ)」、未満なら「小幅的中(外れ)」

同じ+1.1%でも、普段±1.7%しか動かない銘柄なら0.6倍、普段±4.8%動く銘柄なら0.2倍です。「いつもと比べてどれだけ動いたか」で見ることで、的中の中身が分かるようにしています。

あわせて、100株ずつ跨いだ場合の損益(円)も載せています。

データの出典とAIの利用

分析には、各社の決算短信・決算説明資料、マネックス証券 銘柄スカウターライト、株探、株予報Pro、Yahoo!ファイナンスなどの公開情報を使っています。

データの収集とレポートの作成には、AI(Claude)を使っています。どの会社にどんなクセがあるかという見方や、評価の基準は運営者が決め、公開する記事は運営者が確認しています。それでも誤りが含まれる可能性はあるので、お気づきの点があればお問い合わせフォームからお知らせください。


※本ページは、運営者個人の分析方法を紹介するものであり、特定の銘柄の売買を推奨・勧誘するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任で行ってください。

タイトルとURLをコピーしました